嚥下反射を誘発するために摂食嚥下リハビリテーションでは良くおこなわれる対応です。
これから経口摂取を検討している前段階やもうすでに経口摂取はしているが嚥下反射を誘発させるために行われる方法です。
舌根や咽頭後壁、軟口蓋などを凍らせた綿棒で撫でたり刺激をして自発的に嚥下をさせて嚥下反射を促します。
実際の現場でやっている方法を紹介します。
アイスマッサージの方法
①まずは凍らせた綿棒を冷凍庫などで冷やして用意します(市販の薬局などに売っている大きめの綿棒があります)この時に少し味のついたものを染み込ませるのも有効です。
②患者さんの口腔内を綺麗にするため、口腔ケアをします
この時に患者さんの状態を確認して、アイスマッサージが可能か判断をします。
患者さんの指にパルスオキシメータを着けて酸素飽和度もモニタリングすると判断の参考になります。この後は嚥下を出来るだけ安全に行えるよう姿勢を調整します、ベッド上で行う場合はリクライニング位、頸部が後屈や傾かないよう姿勢を調整します。
③凍らせた綿棒の先を水か味のついた液体、炭酸水などにつけてからお口に入れ嚥下反射誘発部位(軟口蓋、奥舌、前口蓋弓など)を刺激し、その後お口の中から引き抜きます。
液体だと誤嚥のリスクが高い場合はトロミづけをした物を少量つけるのも有効です。
④この後、お口を閉じてもらい喉頭の挙上を確認します
中々上がらない場合はメンデルソン手技で喉頭部を刺激します。
⑤嚥下反射が起こらない場合はもう一度綿棒で刺激を入れます
実際に現場でやってみた感じでは、やはり人それぞれ味によって反応が違います。炭酸の刺激で嚥下反射が改善される方もいますし甘い味のもので反応が良くなる方もいます。よく観察してそれぞれに合った対応をすると良いでしょう。
Thermal tactile stimulation(前口蓋弓冷圧刺激)
Thermal tactile stimulation(前口蓋弓冷圧刺激)も同様で、前口蓋弓に冷圧しがきが加わると、嚥下を誘発する感受性が高まり、嚥下反射惹起の閾値を一時的に低くする方法です。
冷たい物を使った訓練では氷なめ喉も行われますが、いずれも冷たい刺激で口腔内の感覚を高め刺激誘発性の皮質の可塑性により中枢神経系のシステムを変えると考えられています。
大抵のケースでは大きめの綿棒を凍らせて使用しておりますが、それぞれに少し味を感じる液体を凍らせることによって味覚や嗅覚による刺激も促して使用しています。
ぜひ皆さん色々な味でお試しください!
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