嚥下開始食として良く使われるのはエンゲリードですが、このゼリーは口腔内や咽頭内で長く貯留しても溶けず、柔らかく、付着性も低く、纏まりも良いので誤嚥や残留のリスクが低く良く使われます。
トロミ剤も口腔、咽頭内の流れを遅くすることで嚥下のリスクを軽減するので良く使われます。0.5%トロミやフレンチドレッシング状など色々な表現がありますが摂食嚥下リハビリテーション学会が作成した学会分類に照らし合わせると以下のイメージになりす。
薄いトロミ | 0.5% | フレンチドレッシング状 |
中間のトロミ | 1.0% | とんかつソース状 ポタージュ状 |
濃いトロミ | 2.0% | ケチャップ状 |
| 3.0% | マヨネーズ状 |
1 薄いトロミ
スプーンを傾けるとスッと流れ落ちる、フォークの間から素早く流れ落ちるくらい
粘度は50~150 LST値 36~43
2 中間のトロミ
スプーンを傾けるとトロトロと流れる、フォークの間からゆっくりと流れ落ちるくらい
粘度は150~300 LST値 32~36
3 濃いトロミ
スプーンを傾けても、形状がある程度たもたれ流れにくい、フォークの間からは流れ出ない
粘度は300~500 LST値 30~32
LST値とは?
プラスチック測定版をもちいて、内径30mmの金属リングに試料を20ml注入し、30秒後にリングを持ち上げ、30秒後にしやくの広がりを測定して、平均値をLST値をします
高いほど流れが良いという意味になります。
トロミをつける方法
市販されているトロミ剤を液体にそれぞれ付けたいトロミに合わせて適量入れます。
*メーカーによって量は異なるので使用方法を良く確認しましょう
入れた後に30秒〜1分程度良くかき混ぜます。その後2分程度でトロミが完成します、温める必要も冷やす必要もありません。
*使う食材によってもトロミが付くまでの時間や量が異なります
トロミが薄すぎた場合はトロミ剤を追加、濃すぎた場合は原材料を追加しますが薄めに作ってから調整した方が良いです。
最近ではトロミづけ付きの飲み物の自動販売機の開発やトロミ付き炭酸水の開発などもすすんでおり、様々な局面で利用できるようになっています。
ただ飲み物を飲んだ感じが無くなってしまうので、トロミづけは嫌がられます。出来れば使いたくないトロミ付ですのでそうならないようフレイルの段階で対応するようにしましょう。
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