摂食嚥下には多くの関わる組織、筋肉や神経が複雑に絡み合って運動を起こします。
嚥下障害があった場合に問題点を抽出する際には嚥下に関わりのある筋肉と神経支配を頭に入れておくとわかりやすいです。
摂食嚥下の中枢制御は大脳皮質と脳幹部に分けられ、頭頸部の末梢からの入力によって修飾されながら、運動を制御しています。
感覚受容器 口腔・咽頭・喉頭・食道 Ⅴ Ⅶ Ⅸ Ⅹ
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大脳皮質
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延髄腹外則の運動ニューロン
脳神経、頸神経から各筋肉へ伝達されて作用します。
・外舌筋 舌骨舌筋 Ⅶ
茎突舌筋 Ⅶ 舌を下制 後退
口蓋舌筋 Ⅹ
・咽頭収縮筋 ・UES Ⅹ 咽頭上部から下部に食塊を下に押し出す
・咽頭挙上筋 Ⅹ 咽頭の短縮、喉頭挙上の補助
・舌骨上筋 オトガイ舌骨筋 C1
顎舌骨筋 Ⅴ 舌骨喉頭を前上方に挙上
顎二腹筋 Ⅴ
茎突舌骨筋 Ⅶ
・舌骨下筋 甲状舌骨筋 Ⅶ C1 舌骨固定時は甲状軟骨を挙上
甲状軟骨固定時は舌骨を下制
胸骨舌骨筋 C1ーC3
胸骨甲状筋 C1ーC3 舌骨喉頭を下制
肩甲舌骨筋 C1ーC3
* Ⅴ 三叉神経 Ⅶ 顔面神経 Ⅹ 迷走神経 Ⅸ 舌咽神経
C1 第一頸神経 C2 第二頸神経 C3 第3頸神経
嚥下障害があってこれらの筋肉の動きが問題の場合はそれぞれの筋肉を強化するリハビリを行います。局所による嚥下訓練には限界がありますので全身状態を如何に改善するかが非常に重要になります。
参考文献
リハビリテーション医学に基づいた摂食嚥下障害の評価・対応
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