近年良く遭遇する症例が「歯根の破折」でした。つまり歯の根っこが割れたり折れてしまっている状態のことを言います。偶々かもしれませんがコロナ禍のストレスで歯軋りや食いしばりなども影響しているのかもしれません。歯が割れてしまうとどのような状態になるのか見て行きましょう。
どんな症状がでるのか?
歯根が割れなくてもヒビが入ってしまった状態でも症状が出て来ます。ヒビ(破折線)に沿って歯根膜と呼ばれるクッションとなる組織が無くなる為、歯槽骨と呼ばれる歯を支える骨もその部分は無くなってしまいます。その為一部分だけ歯周病が進行した状態になり歯茎が腫れやすくなったり、膿が出たり、臭いがしたり、噛んだときに違和感などの症状が出て来ます。完全に割れてしまった場合も同様の症状が強く出る感じになります。
どんな治療法があるのか?
歯根が割れてしまうと歯を残すのは非常に難しくなります、残っている歯の状態が比較的良ければ意図的再植術と言って一度抜歯して破折部を接着して戻すという方法もありますが、予後はそこまで良くはありませんので最悪抜歯となります。
通常は前歯から小臼歯までは根っこが一つしかない為割れてしまった場合は全部抜歯となってしまいますが、奥歯の場合は根っこが下は二つ、上は三つあるのでその割れた歯のみを除去する分割抜歯という方法があります。悪くなった根っこを放っておくと周りに波及して全部の歯を抜かないとダメになりますが、早期に悪くなった根っこを除去する事で部分的に残すことが出来ます。
原因と予防方法は?
原因はやはり歯軋りや食いしばりあるいは硬い物を不意に噛んでしまうことが原因の場合も多いですが、根の治療のやり直しのしすぎで歯が薄くなってしまっていることや感染源が残ってしまったため脆くなってしまうことが考えられます。
予防方法としては力のコントロールとしてマウスピースを使用する、過度な治療はしないことが挙げられます。
ヒビ程度で症状も軽い場合は患部を良く洗浄したりすることで抜かないで、ある程度持たせることも出来ます、完全に治ることはありませんが・・・
噛むと痛いなどの症状が出ることが多いですが、症状の出ない場合もあり歯ブラシをしっかりしても何か嫌な匂いがする、歯茎が部分的に腫れているなどの症状がある場合は破折が疑われますのでかかりつけの歯科に相談すると良いでしょう。
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