これも良くある質問なんですが、神経を取った歯が痛いので神経が残っているのでは無いか?というものです。神経を取る治療をした後でも痛みが出るのはなぜでしょうか?
神経の入っている管は歯の根っこの中を複雑に走行している場合があり完全に除去することが困難な場合もあります。ただ良くある神経が取った歯が痛むというのは歯を支える歯周組織に炎症がある場合にでる症状です。歯を支える歯周組織には神経や血管が走行してます。
それでは細かい項目についてみていきましょう!
どんな症状がでるのか?
虫歯が歯髄(神経のある組織)まで拡大してしまった場合や炎症が強い場合は抜髄と呼ばれる神経を取る処置が行われます。神経をとる処置というのは主根官と呼ばれる主な神経組織を除去する事により症状を無くす処置です。神経を取った直後、またはしばらく経った後でも症状がでてしまうのは歯周組織と呼ばれる組織が反応して根尖性歯周炎と呼ばれる状態になることが原因です。
根尖性歯周炎と呼ばれ代表的なものとしては
・噛むと痛い
・歯茎が痛い
・熱いものがしみる感じがする
・歯がある所周辺全体が痛い
などなどです。
僕も経験済みなんですが急性化するとめちゃくちゃ痛いです・・、歯に触れるだけで激痛で何も手につかなくなるくらい痛くなってしまいます。
また神経を取ったのでしみるはずが無いと思っていましたが、実際に炎症があると本当に歯がしみる感じがします(自己体験済み)
治療は根の治療で内圧を開放するため膿を出す通路を作ると痛みが引いてきます。
原因は何か?
・治療により根尖部が刺激された為
これは治療の直後に良く出る場合が多いです。抜髄と呼ばれる神経を取る処置をするときに歯の根っこの先端に触れる事があります。根っこから出た部分の歯周組織に炎症物質が押し出されたり、ファイルと呼ばれる器具で刺激する事で症状が出てしまう事があります。逆に歯冠歯髄と呼ばれる部分だけを除去し根っこの先端部分の神経に触れない場合は痛みが全く出ない場合もあります。ですので痛みが出ているからといって歯科医師が適切に処置出来ているかは判断が難しいです、症状が出た場合でも数日で回復する事が多いです。
・残髄している為
残髄とはその名の通り神経が残ってしまっている場合です。根管治療は歯の神経を除去し出来るだけ無菌的に隙間なく薬を詰める事が重要になります、上記にも述べたように枝分かれしている場合は完全に除去出来ずそこから感染が広がる場合や先端部の神経を残しておくと時間が経つにつれて神経が壊死しそこから炎症を起こす事があります。
レントゲンでしっかり詰まっているかどうか確認するのはその為です。
・隙間から細菌感染した為
歯の治療のほとんどは失われた組織を他の材料で補填したり、埋める治療になります。人工物と組織との間には細菌が入る隙間があり、そこから感染する場合があります。神経を取ったあとは根管と呼ばれる空間に詰めた材料の隙間から細菌が感染する事があります、その感染により歯周組織が炎症を起こすと痛みが出てきます。
・炎症が強かった為
歯髄炎と呼ばれる激しい痛みがあった場合は内圧が上がっている為、抜髄をして開放することにより痛みは急速に治りますが、炎症が強く神経が壊死し歯根膜まで炎症が広がっている場合は神経を取る処置をしてもなかなか痛みが治らない場合があります。
治療法は?
神経の処置(抜髄)をした直後であれば、根の治療の継続もしくは様子を見る事が多いですが、根の治療から時間が経っていて炎症を起こしている場合はレントゲンを撮って再治療が必要かどうか判断します。根の治療がしっかり行われていて明らかな病変が認められない場合は噛み合わせの調整と抗生剤の処方で対応する事で症状があさまる場合もあるので、かかりつけの歯科医師とよく相談して決めましょう。
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