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認知症患者の摂食嚥下障害の特徴
更新日:2022年11月28日
認知症と言っても人それぞれ脳の障害部位によって様々な行動の変化、症状があります。
食べ物を認知する先行期において認知症や失認、失行といった高次脳機能障害によって問題が起こってくるケースが多くなってきます。
短期記憶の障害によって少し前の食事をとった出来事を忘れてしまうことがあったり、箸を何に使うものかの判断がつかなくなってしまうことがあります。
また食べ物とそうでないものの区別がつかなくなり、食べ物以外のものを何でも口に入れてしまうことも起きます。
順序立てて物事を進める実行機能の障害で早食いや詰め込みが起こり本人の嚥下機能や咀嚼機能を超えて誤嚥や窒息のリスクが高まることもあります。
まずは有名な3大認知症についてみていきましょう。
①アルツハイマー型認知症
認知症の割合の中で最も多いのがアルツハイマー型認知症で、全体の約70%を占めます。脳の中の海馬と呼ばれる記憶を司る部分の脳の萎縮が特徴で、初めは物忘れの症状が出ます。女性に多く徐々に進行して症状が拡大していきます。
②脳血管型認知症
いわゆる脳梗塞、脳出血などが原因で脳の血液の循環が悪くなることにより起こる認知症です。まだら認知症と呼ばれ感情のコントロールが困難になることも特徴で、原因となる疾患によっても異なりますが段階的に進行していきます。
③レビー小体型認知症
レビー小体と呼ばれる特殊なものができることで、脳の神経細胞が死滅してしまうことで起こる認知症です。特徴としてはパーキンソン症状が良くみられ幻視、妄想、うつ状態など1日でも症状が安定しないのが特徴です。急速に進行することもあります。
認知症に対する摂食嚥下の対応
まずはどの部分で問題が起きているのか良く観察をしましょう。空間認知の問題があれば左右差、奥行き、高さ、 食物認知の問題があれば食べ物と認識出来ている食材の置き方、嚥下までの反応の良い食材、咀嚼のスイッチの入る食材などを注意深くみてそれぞれの人に合った対応が必要になります。
認知症の患者さんは咽頭機能は維持されているケースが多く、自食が難しくなるケースやお口の中に溜め込んで飲み込まないといった問題に多く遭遇します。
非常に対応が難しいですが、諦めずによく観察をして色々試しましょう。
摂食嚥下の自発的な訓練は難しいため、周りの環境を整えるアプローチが必要になります。
