食べる意欲が減退していくと経口摂取もどんどん難しくなっていきます。認知症の患者さんは長期記憶が残っている傾向が強いので過去に好きだったものや食べ慣れたものなどをご家族にヒアリングして対応をしたりしますが、反応の良いものもあれば全く認知されず食べたがらないものなどあり対応に苦労することが良くあります。
今回は一般的に言われる食欲をそそると言われる色彩について簡単にみていきましょう。
どんな色彩が良いのか?
赤、オレンジ、黄色などの暖色系は食欲をそそると言われています。逆に青、紫、灰色、黒などの寒色系はあまり食欲をそそらないと言われています。蛍光灯でなくオレンジ色の灯りの方が美味しそうにみえるので高級なレストランなどではオレンジ色の灯りがあるのはこの為と言われています。
補色とは?
補色とは色相環で正反対に位置する組み合わせのことで反対色とも言われますが互いの色を引き立てる効果があるので付け合わせの色や食器の色で使うことによってより美味しそうに見える効果があります。
色と味のイメージ
甘味: ピンク オレンジ 赤 フルーツの甘さを連想
酸味: 黄色 レモンを連想
塩味: 白 青 塩を連想
苦味: 黒 緑 コーヒーや苦い野菜を連想
摂食訓練をする上で特に認知症の患者さんは、反応を良くみると咀嚼のスイッチの入る食材、送り込みのスイッチの入る食材、嚥下反射の起こりやすい食材など様々な反応をします。色もその一つで記憶に働きかける色彩や際立たせる食器なども効果的で味や温度、食感だけでなく重要な要素となります。
あきらめずに観察すると活路を見出せることがあります、本人も食べたいという欲求が残っていてそれを引き出すきっかけになります。
よく観察して反応をみていくと良いでしょう。
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