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何故歯医者さんの治療は回数がかかるのか?
ちょっと痛みが出たり、被せ物が取れた時に歯科にかかると何故かどんどん悪い所が出てきて気づいたら半年通っていたなんて経験ある方がいらっしゃるかもしれません。
殆どの歯科医院では、初診でかかるとレントゲン、視診、歯周病検査、口腔内写真など一通りお口の中全体の情報を収集してから治療に入ります。
これを元に治療計画を立て、まずは主訴の部分の改善をすすめ、その後必要な部位に関しても治療を勧めるためです。
レントゲンから何が分かるのか?
レントゲンからは目に見えない情報を得ることが出来ます。
・虫歯の有無(ある程度大きく無いとわかりずらい)
・根の先に病変があるかどうか
・歯を支える歯槽骨の状態
・神経の処置をしてあるかどうか
・補綴物の適合状態
・歯石の有無
・顎関節の状態
・上顎洞の状態
・親知らずの状態
・子供の場合だと乳歯と永久歯の状態
などを確認する事が出来ます。無症状である場合が多いので必要がある場合は治療をすすめ治療計画に入れていきます。

歯周病検査で何がわかるか?
歯周病の検査では歯周ポケットの深さ、出血の有無、腫れの有無、歯の揺れなどを診ます。
・歯周ポケット
1点法〜6点法まであり精密に測る場合は1歯につき6箇所を測る6点法を用います
・BOP(breeding on probing)
歯周ポケットを測った時の出血の有無 炎症があると出血する傾向があります
・歯の動揺度
歯の揺れの程度を測定します。歯周病で歯を支える骨が溶けると歯が揺れてきます
これらをレントゲンを参考にして測っていきます。
成人の大半の方はどこかしら4mm以上の歯周ポケットが存在する事が多いので歯周病の治療を勧める場合があります。こちらも無症状の方が多いので驚かれる方も居ます。
視診・口腔内写真
視診では最近では歯科用の顕微鏡や口腔内カメラを用いる所も増えています。
歯が欠けてたり虫歯になっている所や段差になっている所を実際に一緒に見てもらうと納得して治療を受ける事が出来ます。
また治療前後の写真を比べる事でも利用される事が多いです。

これらの検査で治療計画を立てて患者さんの口腔内の状態の改善と衛生面の向上を測ると治療に時間がかかってしまいます。
また神経の治療や被せ物、入れ歯を作製する工程は一回では終了する事が出来ないのでどうしてもある程度の期間はかかるのは仕方がありません。
保険診療の縛り・・・
と、ここまでは表向きの理由(怒られそうですが・・)で歯科治療が長引く理由を見てきました。あとは歯科医院側の理由として保険診療の問題があります。
・保険診療の決まり事
保険診療では決まり事が多くあり、まずは歯周病の治療、一回で行える治療はここまで、1週間以上空けて検査、1ヶ月以上空けて検査、そのあとに補綴(被せ物をする)という厳しいルールがあります。これに則って治療をすすめると本当に半年〜1年コースになってしまいます。
・行政指導対策
保険診療で1ヶ月の診療点数が高点数になってしまうと、個別指導と呼ばれる行政からの指導を受けることになります。準備するものが多く、徹夜を続けて指導に臨んでも、ちょっとした不備があるとその分の診療報酬の返還を求められたり、不正をしていないにも関わらず再指導になる場合もあります。
これはかなりの精神的、肉体的ストレスになるため回避するために、一回の診療点数を抑える医院もあります。
・アポイントを埋めたい
最近ではメインテナンス(歯周病予防の処置)が保険でも認められたためメインテナンスのアポイント枠は埋まりやすい傾向になっていますが、アポイントが埋まらないと医院の経営状態も悪化、スタッフも余ってしまい、院長先生も不安になりやすい傾向があります。
最近では予防歯科や歯周病予防の概念が定着したおかげで予約が1ヶ月待ちなんで医院も増えて来ていますが、歯科業界もイノベーションが起きて患者さんの通院への負担が減る改革を起こしてくるでしょう。期待しています!