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嚥下内視鏡検査(VE)

更新日:2023年7月4日

嚥下内視鏡検査は軟性のファイバースコープを経鼻的に挿入し、嚥下中の咽頭の動きや喉頭の動きを観察する方法で嚥下中の食塊移送と声帯の閉鎖、唾液の貯留、咳反射、咽頭残留などを様々な食形態を使って観察出来る検査です。


 

VEの特徴


最近ではポータブルの機械が出ており、訪問してベッドサイドで検査も出来る点で重宝されている検査です。ただ口腔期(舌の動き)や不顕性の誤嚥までは詳しくはわからない為、誤嚥の有無を確実には診断出来ません。

最大の利点は実施に様々な食材を使って検査出来る事です、食上げを検討する時、経口摂取を開始するときなど様々な機会に利用させる検査です。


観察点は3つで

上咽頭 軟口蓋の挙上、鼻咽腔閉鎖の状況を確認

中咽頭 喉頭 咽頭全体を観察 唾液貯留 舌の後退 食物の早期流入 嚥下反射の遅延

下咽頭 声帯 喉頭侵入 誤嚥の有無 被裂の動き 喉頭閉鎖



嚥下に関わる組織
嚥下に関わる組織

 

VE検査の実施方法


① VE検査を行う前にスクリーニング検査を行います。


 スクリーニングや既往歴・現病歴・服用薬情報を元に疑われる障害を予測しておきます。

 また溜め込みや送り込み不良、唾液の嚥下が出来ない場合は検査が難しくなります。


② 主治医とご家族に説明をし同意を得ます。


*トラブルを避けるために必ず患者さんは説明を受けて、術者は患者さんの同意を得ましょう

 

③ 当日に用意するもの


・口腔ケアの器具(誤嚥リスクを下げる為、施術前に口腔ケアをする)

・保湿剤・もしくは表面麻酔用のジェル(キシロカインゼリーなど)

・着色水用の食用色素(緑・青・紫などが見やすい)

・トロミ剤(可能であれば何種類か用意する)

・吸引器 (喀出出来ない場合は吸引する)

・検査食 (普段食べているものや希望する食材など)

・パルスオキシメーター

・シリンジ(10ml程度の容量)

・スプーン(一回量を見る為 何種類かあると便利)

・体幹を保持する為の枕やタオルなど

もちろん嚥下内視鏡もきちんと作動するようチェックしておきます。


④ 検査時


まずは上記にあるように各チェックポイントで動きや唾液貯留、発声したときの声帯の動き、などを観察します


続いてフードテストを開始します

大体 着色水(トロミありの場合もあり) 検査食の順で行います。


検査時の結果を見ながら交互嚥下、複数回嚥下、姿勢の変更、嚥下方法の変更などを行い

ベストな状態を探ります。また食材も変更の指示を出しながら臨機応変に対応します。

*必ず音を入れて録画しておいて下さい


⑤ 検査後


患者さんの状態に変化がないか確認して、必要があれば吸引して終了となります。

録画した動画を見直して診断をします。


 

VE検査の評価で使える指標


嚥下内視鏡検査では上記の観察ポイントで状態を観察しますが、嚥下障害の重症度を客観的に評価するスコアとして兵頭先生が提唱している兵頭スコアというものがあります。

このスコアの良い点は数値化されるので、経過を観る時に比較が出来る点と術者(評価者)が変わった場合でも比較的ブレが少ない点です。


① 喉頭蓋谷や梨状陥凹の唾液貯留

0:唾液貯留がない

1:軽度の唾液貯留あり

2:中等度の唾液貯留はあるが、喉頭腔への流入はない

3:高度の唾液貯留があり、吸気時に喉頭腔へ流入する


② 声門閉鎖や咳反射の惹起性

0:喉頭蓋や被裂部に軽く触れるだけで容易に反射が惹起される

1:反射が惹起されるが弱い

2:反射が惹起されないことがある

3:反射の惹起が極めて不良


③ 嚥下反射の惹起性

0:着色水の咽頭流入がわずかに観察出来るのみ

1:着色水が喉頭蓋谷に達するのが観察出来る

2:着色水が梨状陥凹に達するのが観察出来る

3:着色水が梨状陥凹に達してもすぐには嚥下反射が起きない


④ 咽頭クリアランス

0:嚥下後に梨状陥凹及び喉頭蓋谷に着色水残留なし

1:着色水残留が軽度あるが、2〜3回の空嚥下でwash outされる

2:着色水残留があり、数回のから嚥下を行ってもwash outされない

3:着色水残留が高度で、被裂部を超えて喉頭腔に流入する


①と④は動き ②と③は感覚をみています。

の4つの項目を0〜3の点数で評価し合計点数を出します。

4点以下

​経口摂取はおおむね問題なく行える

5〜8点

​経口摂取は可能だが誤嚥リスクがあり、食事内容の制限、気道管理、補助栄養の併用が必要

9点以上

経口摂取は困難・不可

随伴所見


鼻咽腔閉鎖不全、咽頭麻痺、喉頭麻痺、早期咽頭流入、ホワイトアウト不全、器質的病変なども確認をします。

 

VE検査とVF検査の比較


前述したようにVE検査は訪問での使用が可能で、唾液や痰の観察、各器官(咽頭から舌根部、喉頭蓋、梨状窩、声帯など)の器質的な異常の有無、実際の食物を使った観察、被曝がないなどの利点があります。


VE検査

VF検査

咀嚼の状態

×

食塊形成

×

食塊の送り込み

鼻咽腔閉鎖

喉頭挙上

声門閉鎖

咽頭収縮

食堂入口部開大

×

蠕動運動

×


対してVFは口腔期(咀嚼から食塊形成、送り込み)から食道に流れるまで嚥下に関連する部位を幅広く観察する事が出来ます、またホワイトアウトが無いので嚥下する瞬間の誤嚥の有無も観察することが出来ます。こちらは被曝の問題がありますが短時間の場合は健康被害を起こす量の被曝は無いとの報告があります。



あと費用の問題もあります、VE機器であれば100万位、VFを導入するとなると検査室と装置で1000万程度かかります。

 

あくまで指標ですのでこれだけで判断はしないで総合的な状態や誤嚥性肺炎の既往、リスク管理など様々な要因をみて判断します。大体検査をすると何らかの問題は確認されます、だからと言っていきなり経口摂取不可にしたり、経管栄養にするのは医療業界の良くないところです。ノーリスクは無いのでリスクもある程度許容しながら本人に取って良い選択をしてもらいたいです。


嚥下障害の指標はこちら →  嚥下障害の重症度分類

咽頭残留
咽頭残留




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