発音は口の形や舌の動きによって表現されます。唇や舌の動き、呼吸が安定しないと上手く発音することが出来なくなってしまいます。
舌や唇の動きは発音をしっかりする上で重要で、良くリハなどで「パ」「タ」「カ」「ラ」の4つが用いられます。
パは唇をしっかり閉じる動き、タは舌を上の前歯の裏側に当てる動き、カは舌の奥を動かす動き、ラは上顎に舌を丸めて動かす動きを表しています。
舌小帯短縮症
時に舌の動きは重要で動きが悪いとしっかりとした発音が出来なくなります。舌の動きが悪い理由の一つとして舌小帯と呼ばれるヒダの位置に問題がある場合があります、あっかんべーをしてもらった時に先端がハート型になる場合はこれに当たります。
対処法としては小帯切除といったヒダの部分を切除して舌の可動域を広げた後に舌の可動域訓練をします。切除というと怖いイメージがあるかもしれませんが、麻酔をして数分で終わる処置ですので子供でも比較的簡単に行える処置となります。
目安としては先ほどご説明した舌を伸ばしたときに先端がハート型になってしまう方、舌の先端を丸めて上顎に付けれないなどのケースとなります。
舌の動きが悪い
舌の動きが悪い場合も滑舌が悪くなる原因になります。
また舌は発音で重要なだけでなく、お食事を食べるのにも重要な役割をはたしています。
食べ物を認識して、お口に運び、前歯で食べ物を剪断した後、舌で奥歯に食べ物を乗せて咀嚼が始まります。咀嚼後に食べ物の塊を形成し舌に乗せて、上顎に圧迫することにより喉の方へ送り込みます。
このように口の動きや舌の機能は日常の生活を送る上でも重要です、意識的に動かすことでも動きは改善できます。
口唇の動きが悪い
唇を開けたり閉じたりする運動、尖らせたりする運動などで発生する口唇音と呼ばれるパピプペポに代表される発音は口唇の動きとそれを維持する力などによって発音が左右されます。こちらも意識的に動かす事で動きを改善することが出来ますのでしっかりひとつひとつの動きを意識して訓練しましょう。
鼻咽腔閉鎖不全
何らかの障害で口腔と鼻腔を上手く閉鎖出来なくなると空気が鼻に抜けてしまい開鼻声と呼ばれる鼻にかかったような発音になってしまうことがあります。リハビリでもある程度は改善は見込めますが先天性の障害などではPLP(Palatal Lift Prosthesis)のような装置を使って軟口蓋を持ち上げることで改善されます。
発声には何らかのサインが隠されていることが多いです、どの言葉を上手く話せないのはどこが障害されている部分か?と良く診断してリハビリ計画の立案に役立てましょう。
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