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歩合給の弊害

  • enjoy eatman
  • 15 時間前
  • 読了時間: 3分

歩合給と聞くと営業職を想像する方が多いと思いますが、歯科では一般的によく使われる給与体系となっております。僕自身も卒後3年目で勤めた医院では一定のラインを超えた段階で歩合給へ移行しました。経営的には理にかなった給与体系ではありますが何を優先するかなど治療方針のベクトルを考えると過剰診療や自費診療への無理な誘導をもたらす恐れがあるため個人的にはあまり好ましい体系では無いと考えています。


①過剰診療


歯科に限られることではありませんが、歯科医院を受診するとまずは検査→診断という流れになります。虫歯は早期発見早期治療は良いのですが黒いだけの実質欠損のない歯を治療して人工物に置き換えるのはおすすめしません。2次カリエスと言って人工物と歯の隙間から新たな虫歯が発生しやすくなります。歯周病に関しても中途半端な歯石取りは根本的な解決にはならずプラークコントロールの方がより重要となっております。


日本の医療制度は保険診療で細かく診療点数が定められているため、売上を重視すると上記のような過剰診療を行う場合が多くなります。もちろん患者さんの同意は必要ですが虫歯があると言って断る方は稀でほとんどの患者さんは説明されるがままに治療を受けてしまっているケースが多々あります。


②自費診療


自費診療と保険診療の違いは保険で認められている素材を使うかどうかで、長持ち云々は本当に精密に治療するかどうかの方が予後を左右します。普段のお手入れによる口腔内の環境や噛み合わせ、遺伝的要因、歯科医師の技術、技工士の技術などのほうがより重要となります。自分がやった治療の予後がわかってくるのは実際に5年、10年と患者さんを診てみないと蓄積されません、僕自身は15年同じ場所でやっていましたがダメになったケースもあり、それは経験がある程度必要な部分ではあると思います。代診で5年目程度だとある程度治療は出来るようになりますが、自費診療を誘導してもその後何十年の予後に関しては経験がないためわかりません、歩合給で給与をあげるベクトルが働きインプラント、セラミックなどの高額が診療に意図的に誘導する場合があります(実際にはきちんと技術と経験が伴っていれば良い治療です)


③倫理観の欠如


医療は適切な診断、適切な説明、患者さんによる意思の決定などのプロセスを踏まえてより良い治療を選択するべきだと思います。抜歯する必要の無い歯を予後不良として抜歯に誘導したり、保険診療はダメだからといって適当に行い自費診療に誘導するのはどうかと思います。歩合給になるとどうしても数字優先になってしまいます、一番大切な部分を失わないようにするためにも若い先生には固定でしっかり治療に臨む姿勢や技術を磨いて欲しいと思います。


④大量に患者をこなすいい加減な治療


保険診療メインのところでは、数をこなすことで保険点数があがるので並行診療でより多くの患者さんを診ることが多いです。衛生士や助手に手技を任せカルテを書くだけで自分の点数になります。それに比べると自費診療の方が丁寧に治療を行ったうえで対価をもらう点では良い気がしますが上記のようにしっかりとした診断、説明、技術が成り立った上でやる必要があります。若い先生が下手とは限りませんが知識や経験はある程度必要なのかなとは思います。


歯科医院といえども経営している以上、売上等の数字は必要となります。とは言え大事な部分を見失って自分たちだけ裕福な生活をしている人たちは一定数います。自分に合った良い歯医者さんに巡り合えるよう、おかしいと思ったらセカンドオピニオンで客観的な意見を求めるのも良いでしょう。



倫理観

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